交通事故の被害者が損害賠償請求できる損害項目

交通事故1

交通事故にあった時には、加害者に対して損害賠償請求ができます。この時の損害項目には様々なものがあり、実際に出費せざるを得なかったものや本来得るはずの利益が事故によって失われたものなどが対象になります。また経済的な損害とは別に、ショックや苦痛など精神的な損害に対しては慰謝料の請求ができます。

ここでは法律で基準とされる損害項目について説明します。

損害項目の種類

損害賠償請求ができる損害項目の種類は大きく分けて3つあります。まず積極損害です。これは治療費や車の修理代など、交通事故が原因で実際出費したものです。次に消極損害です。これは休業や後遺症により発生した損失など、本来あるべき利益が交通事故によって得られなくなったものです。

もう1つは慰謝料です。事故にあったショックや怪我による苦痛など、精神的な損害を受けたことに対するものです。

積極損害について

積極損害は10項目あります。1.物的損害は、事故で壊れた自動車の修理費です。修理費は事故車の時価額を基準に算出されます。しかし修理費がそれより上回る場合はトラブルになることが多いので注意が必要です。2.治療費は、事故により受けた怪我の治療に実際に出費した費用です。

医師による診断書の作成費用を含めて必要になった治療費全てが賠償の対象になります。治療費の対象になるのは「症状固定」までが原則とされています。症状固定とは、これ以上治療を進めても改善が見込まれない状態のことです。

症状固定後に残った症状は後遺障害とされ、医師からは後遺障害診断書が作成され、慰謝料や逸失利益として賠償請求の対象になります。後遺障害の症状や治療の内容や程度によって請求の内容も変わってきます。治療費の支払いについては加害者の任意保険会社から医療費を支払う場合が多くあります。

3.付き添い看護費用は、入院などで医師から付き添いの指示があった場合に発生します。費用の計算は一定の日額基準を基にして算出します。4.雑費は、事故により、購入が必要になった物品の費用が対象になります。しかし購入時の領収証を逐一確認検討する手間や労力を省く為に、入院1日についての基準額を基に概算で損害賠償請求する場合が殆どです。

5.交通費は、通院に必要な費用が対象になります。電車やバスなどの公共の交通機関を利用するのが原則で、タクシーは必要と認められた場合のみ請求の対象になります。自家用車を利用した場合はガソリン代や有料道路代金、駐車料金の実費が認められます。

6.葬祭費用は、死亡事故の場合に一定基準を限度として認められます。7.装具の費用も認められます。事故により必要と判断された義足、眼鏡や補聴器などについて相当なものが対象になります。ここで言う相当とは、必要ない高額のものは認めないという意味で、カツラや眼鏡などで高級品などを購入しても、必要ないと判断された場合は全額支払われることはありません。

8.家屋の改造費も対象になります。被害者の怪我や後遺障害の状況により、家屋内の段差をなくすなど、なんらかの改造が必要になった場合は、必要と認められる範囲内で改造費が認められる場合があります。9.弁護士費用は、訴訟になった場合に請求し、承認された金額の約1割を限度として認められます。

10.その他、通常より長期になった場合の学費や成年後見費用についても、その内容によって相当で必要な範囲で請求できます。

消極損害について

消極損害は3つあります。まず休業損害です。交通事故により負傷し、その治療の為に休業した場合が対象になります。会社勤務の人は、休業がなかった場合の給料と休業中の給料の差額の算出と「休業損害証明書」という所定の書面の作成を、会社に行って貰い、休業損害賠償額を証明します。

自営業の場合は確定申告額や帳簿の記載額によって事故前後を比較検討し、金額を決定します。主婦などの家事従事者の場合は一定の基準額を基に休業日数分を算出します。次に後遺障害による逸失利益です。交通事故により後遺障害が残り、その後の人生の労働能力が低下する為に、本来得られるべき収入が見込めない場合の請求です。

逸失利益金額の算出は、基礎収入や労働能力損失率、そして喪失期間に対するライプニッツ係数の3つの要素によって行われます。この要素の数字は、後遺障害の症状や程度、事故前の仕事内容、年齢性別などにより決定されます。

後遺障害が残っても事故前後で収入が変わらない場合は、後遺障害により苦労を強いられていること、格段の努力をして収入を維持していることを証明して損害を請求します。最後に死亡による逸失利益です。これは被害者が死亡することによって、その後の人生において得られるはずの収入がなくなることについての損害です。

逸失利益金額は基礎収入、生活費控除率、そして就労可能年数に対するライプニッツ係数によって計算されます。各要素の数字は、被害者の事故前の収入や年齢性別などにより決定されます。

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慰謝料について

慰謝料は事故により被った精神的損害に対しての賠償です。慰謝料は、傷害と後遺障害、死亡の3つに対して定められています。傷害に対する慰謝料は一定の基準があり、症状の程度と入院日数に合わせて算出されます。後遺障害にはその症状の程度により等級が定められており、等級の基準に従って金額が決定されます。

死亡事故の場合は大体2000万円から3100万円の範囲で、状況に応じて決定されます。

損害相殺について

自動車同士の事故の場合は、加害者だけでなく、被害者にも過失があった場合に損害相殺が行われます。被害者の過失相当分を請求金額から差し引きすることを過失相殺と言います。例えば加害者と被害者の過失の割合が7割と3割ならば、被害者の損害全体の7割を加害者が支払うことになります。

その為、事故発生状況が相殺割合を決める重要な要素になります。一般的には事故現場に立ち会った警察官により「実況見分調書」が作成され、その書面の内容を基に決定されます。

損害の填補と遅延損害金について

損害賠償請求を行う前に、加害者から見舞金などで支払われた金銭や、自賠責保険や労働保険などから支払いを受けた金額があれば損害金額から差し引いて請求します。これを損害の填補と言います。また損害賠償請求金額全体に対して、事故日から支払いの日まで年5%の遅延損害金が発生します。

参考「交通事故の慰謝料・弁護士への無料相談なら弁護士法人アディーレ法律事務所」 - https://www.ko2jiko.com/